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2016年2月

慶應義塾大学病院改革の途中経過

以前、このブログでも、
で慶應義塾大学病院の病院改革として
院長特命タスクフォースにかかわっていることをご紹介しました。
11月に病院探検隊が実現し、
そのときのフィードバックの内容も改革の柱に据えてくださっています。
今回は、改革の「その後」を会報誌2月号の「COMLメッセージ」でご紹介しましたので、
会員以外の方にも公開しようと以下に貼り付けます。
長文ですが、よろしかったらご一読ください。
想像していたよりスピーディに改革に取り組んでおられます。
COMLメッセージ No.58
慶應義塾大学病院改革の嬉しい途中経過
病院長の権限強化
 まさかこんなに早く途中経過を報告できるとは、思ってもいませんでした。慶應義塾大学病院の病院長特命タスクフォースの“その後”です。会報誌No.304(2015年12月号)「COMLメッセージ」でご紹介したように、慶應義塾大学病院の病院長特命タスクフォースが立ちあがるきっかけになったのは、臨床研究中核病院に名乗りをあげて、厚生労働省(以下、厚労省)から「待った」がかかったことでした。「ガバナンス(統治)・組織体制、利益相反マネジメントの見直しが必要」「被験者保護(患者目線)の視点で意識改革が必要」というのがその理由。そこで、まず病院自らの作業として、組織体制の見直しをおこない、病院管理者(病院長)の権限・責任をより強くするために、病院規程の変更をおこないました。
 以前から報告しているように、昨年、私は厚労省の特定機能病院等の医療安全に関するタスクフォースの顧問として、特定機能病院84病院の内、22病院の集中立入検査に同行しました。そこで実感したのは、大学病院では人事や予算をはじめとする重要な運営の決定権は大学本部理事会が持っていて、病院長にはほとんど権限がないということです。そのため、何か病院長が問題点を把握しても、自ら前面に出て対処することができず、ガバナンス機能を発揮することが難しいという現状を目の当たりにしました。
 そこで慶應義塾大学では理事会で病院規程の見直しを諮り、新たに以下の内容を加えました。
第5条3項
病院長は病院管理者として大学病院を代表し、病院業務全般を統括する。
第5条4項
病院長は、大学病院で行われている教育、研究について、その実施を許可し、停止を決定する。また、実施状況について報告を求め、是正改善等を命ずることができる。
第15条5項
病院長は必要な場合にいつでも診療科部長等の権限を停止し、代行者を指名することができる。
 これだけでも、病院長に付託された権限は大きく変わると思います。
幹部が先頭に立ってあいさつ活動
 11月16日に実施した病院探検隊のあと、12月18日、1月19日と月1回のペースでタスクフォースの会議が開催され、病院改革について話し合ってきました。とくに病院探検隊のフィードバックで指摘した内容を柱に改善点がまとめられ、できることから迅速に実行。
 まず、「医療者が主人公」で「あいさつ、声かけがほとんどない」という病院探検隊の指摘を受け、病院幹部が12月から毎朝病院玄関に立ち、患者さんとしっかり視線を合わせながらあいさつをするという取り組みを実施しました。あいさつ行動初日、患者さんのなかには「今日はいったい何ごとですか?」と訝る人もいたようですが、次第に患者さんからもあいさつが返ってきて、コミュニケーションへと発展しつつあるようです。一方、職員の通用口にも幹部が立って、朝の挨拶。イヤホンを入れたまま黙って通り過ぎたり、目線を合せようとしなかったりする職員も最初は多かったようですが、最近ではあいさつが返ってくる頻度が増えたと言います。「そんなこと当たり前じゃないか。小学生でもやっているよ」と思われるかもしれませんが、多くの医療機関では職員同士のあいさつがないことが幹部の悩みの種だったりするのが現状なのです(哀しいことですけれど……)。
 12月18日の会議前日、少し時間ができた私は、慶應義塾大学病院に立ち寄り、“一人探検隊”よろしく院内に変化を感じることができるかどうか、ウロウロしてみました。すると、探検隊のときには一切声かけがなかった病棟で「今日は。どちらにご用ですか?」という声かけを複数受けたのです(これも当たり前と言えば当たり前ですが……)。ただ、残念ながら声をかけてくれたのは管理職層で、まだまだ若いスタッフにまでは浸透していませんでした。でも、変化の兆しは感じられました。
 さらには、病院初めての取り組みとなる(!)患者満足度調査の実施、「慶應義塾大学病院の連携先の病院や施設が問題点を感じているのではないか」という私の指摘を真正面から受け止めてくださっての連携先病院・施設へのアンケート調査、教職員の意識調査と次々に着手し、「待つことが当たり前」の払拭に向けて、待ち時間の解消のための取り組みも始まっています。
 また、12月の会議の折には、「病院の理念に合わせて、病院機能改革の基本方針を打ち出したい」と病院長から方針(案)が提示されました。もちろん、タスクフォースのメンバーからは文言についてさまざまな意見が出されました。私も文言への意見に加えて、「いくら美しい方針が打ち出されても、一人ひとりの職員が基本方針を実行するために自分が何をしなければいけないのか考えないと意味がない。一人ひとりにそれを問うぐらいおこなってはじめて変革につながるのではないか」とお伝えしました。すると、1月の会議の際には「病院の理念」「病院機能改革の基本方針」「臨床研究実施方針」が明記されたカードが作成されていて、そのカードのなかに「私のミッション」を記入する1面が用意されていたのです。記入日と氏名も明記し、期限を決めて記入の確認をすることになっているそうです。我々の意見に対して、真摯に実行しようとしてくださる病院長とタスクフォース事務局の姿勢に“本気度”を実感しています。
迅速な実行はスタッフの表情まで改革
 1月のタスクフォース会議当日、病院に到着すると玄関前にはそれまでなかった病院案内のパネルが設置され、複数の患者さんが立ち止まって読んでいました。そして玄関を入ってすぐのカウンターが並んでいた一部が改築され、「総合相談窓口」に生まれ変わっていました。
 タスクフォースに参加した当初、「ワンストップの相談窓口を作りたいが、場所はどこが適切か」と問われて、カウンターのなかでも「ここになくてもいいのではないか」という機能だった一部を指摘したところ、ほかの方の意見も同様だったのでしょう。そのカウンターを廃止して、相談窓口にすると聞いていました。会議の日がオープンの日と重なったのですが、「ここがあの殺風景なカウンターの一角?」と見紛うぐらいに、明るい雰囲気に生まれ変わっていました。入口には「難病や療養に関する相談」「がんに関する相談」「治験・臨床研究に関する相談」「その他の相談」と具体的に対応している内容が表示されています。オープンするまで積極的なアピール活動をしていなかったそうですが、明るく入りやすい雰囲気に、当日はぶらりと入ってくる患者さんも結構いらして、臨床研究に関する相談はこれまでの1ヵ月分の問い合わせの半数がたった1日で届いたとのことでした。
 総合相談窓口を入ると4つのブースがあり、プライバシーに関係したり込み入った相談は奥に2つある個室で対応できるように設えてあります。相談窓口にはつねに5人のスタッフ(看護師、臨床検査技師、医療ソーシャルワーカー、事務職員)が待機し、治験や臨床研究の具体的な相談が届くと、CRC(臨床研究コーディネーター)が呼ばれて対応することになっています。
 総合相談窓口以外にも、患者情報室の場所を移転して落ち着いて利用できる空間に変更されていたり、できるだけ広く空間が利用できるように配置を変えていたりで、「こんな短い時間でここまで改革できるんですね」と思わず言ってしまったほどです。そして、何よりも案内してくださるスタッフが、とても誇らしげで嬉しそうに説明してくださることが印象的でした。自分たちが勤めている病院が改善されていくのを実感するというのは、やはり前向きな気持ちになれるのだと思います。スタッフがイキイキしている病院は、患者さんにも前向きな病院として伝わります。まだまだ改革は緒に就いたばかりですが、こんなにスピーディーな変革を遂げているという嬉しい報告でした。

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今年度の医療で活躍するボランティア養成講座終了

昨年10月から月1回のペースで、
「医療で活躍するボランティア養成講座」日曜コースを東京で開催してきました。
昨日2月14日は、その最終回でした。
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最後に電話相談のロールプレイをおこない、
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実際にやってみての感想をディスカッション。
そして、5回連続で参加してくださった方々には、修了書の授与です。
この講座は、来年度8月に夏期コース(8/8~8/12の5日連続)、
10~12月と2017年1~3月の2回に分けて日曜コースを開催する予定です。
今回ご参加いただけなかった皆さんのご参加をお待ちしています。
詳しい日程などは、追ってホームページでご紹介します。

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Minds

日本医療機能評価機構の委員を5つ務めていますが、
今日はその内のEBM医療情報事業運営委員会。
通称「Minds」と呼ばれていて、
診療ガイドラインの紹介や作成支援など、
さまざまな取り組みをされています。
最近では、医療者向けにモバイルのアプリの提供も始めました。
以下のサイトからアプリが手に入ります。
http://minds.jcqhc.or.jp/n/
私は医療者ではないけれど、
今日会議中にアプリをダウンロードしました! 
皆さんも、如何ですか?
今日は過去5年間の取り組みの総括と今後5年の計画など。
これまで診療ガイドラインの作成支援や
ガイドラインそのものの評価に力を入れてきたけれど、
今後は患者や利用者の診療ガイドライン作成への参加、患者と医療者に使用してもらえるような取り組み強化に力を入れて行くとのことでした。
さて、この次は京都大学の医の倫理委員会。
東京で2~3の会議が重なるのは問題ないのですが、
東京と京都だと2つの会議に出席するだけで一日仕事です。
そして移動中に遭遇。
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快晴の冬の富士は、やはり美しい。

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