« 辻本好子のつぶやき No.19 ~直感と行動力でサポート~ | トップページ | 辻本好子のつぶやき No.21 ~退院しました!~ »

辻本好子のつぶやき No.20 ~前代未聞のカンファレンス~

第一線の急性期病院に入院していながら、
どうして50日余りもの長期にわたってしまったのかというと--
退院の目処が立つと、その都度、腹水が溜まったり、肺炎を起こしたりと、
予期せぬアクシデントに見舞われ、まるで狼少年のごとく…
何だか私一人で病院の平均在院日数を伸ばしているような
申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

たしか2回目の“実現”を目の前に控え、
いよいよ在宅に向けて具体的な動きを始めようとした4月25日(月)。
病院も前代未聞(?)というべき素晴らしい合同カンファレンスがおこなわれたのです。

前回にも触れたように、在宅に移行したときの担当クリニックのドクターとナース、
加えて訪問看護ステーションの所長(ベテランナース)とケアマネジャーが病院に出向いてくださり、
病棟からは若いH主治医と師長さん、
そして、医療ソーシャルワーカーのWさん、
がんサポートチームサブリーダーのS腫瘍内科医が揃い、
名古屋から来ていた2人の息子、
更にはほんとうに家族以上にきめ細かく私のすべてを支えてくれている山口と
患者の私。
総勢12名が立錐の余地なく病室にひしめき約1時間。
すでに、その数日前に“家族”の立場で山口がクリニックを訪ね
約1時間40分もの間「事前打ち合わせ」として、
これまでの詳しい経過や患者本人の希望、生活環境、家族構成などについて
これ以上綿密にできないというほどの面談のうえで
この日のカンファレンスに至っていることにも驚かされました。

「病診連携」「患者中心の医療」
といった謳い文句で国がその方針を立てて、やがて10年。
もちろん、それ以前から各地域では熱い想いを持ち、
先駆的、いやもっと言うなら犠牲的精神に近い想いで
在宅医療に取り組んでいたドクターが全国各地で活躍しておられました。
ただ、ものごとの道理なのか、一時妙なブームになったころ、
「いいことをやってあげている…」といった風潮を感じ、
厚生労働省の検討会でも「患者があくまでも希望することの支援」であり、
決して押しつけや(ドクター側の)自己満足で終わらないで欲しい
という願いを懸命に訴えました。
たとえば今回のようなカンファレンスの状況を説明するためのスライドが出され、
私はあくまでも患者・家族の立場でそれを眺めると、
まるで「取り囲まれている」風景としか見えなかった…
など、言ってみれば、そんな些細な情緒的ともいえる意見。
当時は在宅医療推進のイケイケドンドンの流れのなかで、
いわば一笑に付されていたように思います。

しかし、進化しました
とくに私がラッキーだったのかもしれません。
ただ、今回のカンファレンスが文字通りの患者の気持ちを中心に…
という見事な内容であったことから、
やはり、私たち患者が「自分はどうしたいのか?」という気持ちを
家族はじめ周辺の公的サービスも含めた支援が十分に尊重して、
「その人らしい」終末医療を築きあげられるように伝え、
一緒に考えながら進めることが何より大切と思います。
…やっぱり最期まで「賢い患者」でありたいと、
いま自分自身のこととして、痛切に感じているところです。
(5月13日記す)

|

« 辻本好子のつぶやき No.19 ~直感と行動力でサポート~ | トップページ | 辻本好子のつぶやき No.21 ~退院しました!~ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

辻本好子」カテゴリの記事