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辻本好子のつぶやき No.19 ~直感と行動力でサポート~

ほぼ毎日のように、
がんサポートチーム・サブリーダーのSドクター(腫瘍内科医)が訪室してくださるうち、
気持ちがどんどん前向きに!
いまから死ぬことなんか考えてどうする!!
家に帰ることができたときにやりたいことがどんどん具体化し、
その手順まで頭のなかで整理でき、
あの人にはこのことを手伝ってもらおう。
この人たちには…と希望が際限なく広がっていきました。

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そして、在宅医療の夢を具体的に押し進めてくれた次なる功労者(?)は、
医療ソーシャルワーカー(MSW)のWさんです。
まさに病院と在宅とをつなぐ事務方の役割です。
今回は、そのW医療ソーシャルワーカーのお話です。

まず最初に、彼女の役割の全体像の説明があり、
つぎに具体的な設定として、私の自宅に近い訪問看護ステーションを念頭に置き、
連携している訪問診療医の選定作業に入ることに。
幸いにも、自宅から(信号に引っかからなければ)5分とかからぬところに訪問看護ステーションがあり、
そこと提携しているクリニックが候補にあがり、
スタッフが病院に来てくれて説明を受ける場をWさんが設定してくれました。

面談の中心は、あくまでも訪問看護ステーションの方との打ち合わせのはずなのに…
クリニックからついてきただけのナースが妙に張り切っていて、
挨拶もそこそこに、
「ご利用いただく以上、まずは私共の方針をわかっていただかねばなりませんので…」
と、年齢的にも大先輩にあたる訪問看護師を差し置いて、
一方的に滔々とシステムや料金についての説明が始まり、
質問をはさむ余地のないまま延々15分の演説が…

途中で話が耳に入ってこなくなり、
ただ呆然と彼女の自信たっぷりの話しぶりを眺めている自分を感じていました。
…どうして最初に、私の希望を聴いてくれないのか?
…どうして私が描いている在宅療養のイメージを確認しようとしないのか?
ただ初めての経験だけに、
<こんなものなのか…>と諦めの境地に追いやられていく気分でした。

彼女の長い演説が終わると、ようやく訪問看護師の話になったのですが、
すでに私の心の扉はシャットアウト!
いや待てヨ!
かかりつけ医は基本的には週1回。
しかも目の前の彼女がメインではないはず。
その当事者であるドクターと会ってもいないのに、心を閉じてはいけない…
と気持ちを切り替え、懸命に彼女たちの話を受け入れようと努めました。

…ところがです。
その場に同席してくれていたのが、MSWのWさんと病棟副師長さん。
Wさんは私の斜め後ろに座っていたため、
細かな私の表情の変化をキャッチできないはずなのに、
面談終了直後にベテラン訪問看護師に連絡を取り、
「どうやら辻本さんがクリニックのナースに対して
強い違和感を抱いていらっしゃるように思えてならない」
「いまだ契約をしたわけではないので、
再度、別のクリニックを調整してみようと思う」
と相談をしてくださったのです。
さすが! です。

訪問看護ステーションの諸条件は願ってもない内容だっただけに、
改めてクリニックの協力を別の角度から探る作業に入り、
何とCOMLの理事で訪問診療のみで経営しているK氏の紹介もあって、
じつは10年ほど前、あるシンポジウムでご一緒に発言した
Sドクター(腫瘍内科医のSドクターとは別の男性ドクター)に
偶然にもたどり着くことができたのです。
願ってもない“ネットワーク”の可能性が見えてきました。

しかもSドクターは、担当する以上は
「自分自身が病院に出向き、直接患者さんの希望を確認し、
病棟スタッフとの綿密な連携をとる」という揺るぎない方針を持った方。
--その姿勢を聞いただけで、
強い信頼感が私の心のなかでフツフツと音を立ててわきあがってきたのです。

そこにたどり着けた何よりの支援は、
MSWのWさんのプロとしての鋭い“直感”と素晴らしい“行動力”。
そして、確かなネットワークと言う宝物。
がんサポートチームには、医療の表舞台以外にこんな大きな力が備わっていることを
改めて感じつつ、感謝の想いを強くしました。
次には、さらに素晴らしいカンファレンスについての“つぶやき”を!
(5月12日記す)

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