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辻本好子のつぶやき No.18 ~見事な傾聴力~

「もたいまさこ」という女優さんをご存知ですか?
TVでの活躍より舞台女優、しかもかなりの個性派…50歳代後半ぐらいかな?
…に、似ているわけじゃないんです、決して!
ただ、醸し出す雰囲気が、とってもよく似ているんです。
がんサポートチームのサブリーダー、腫瘍内科医の女医さん。
もちろん、もっと若くてスマートで、飾りっ気のない素敵な方です。

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私が入院している病院は、がん診療連携拠点病院を標榜。
700床近い急性期病院でもあり、とくに外科部長の強い希望もあって、
贅沢なほどの人材が布陣されています。
がんサポートチームのトップは外科部長。
曰く「外科医はベストの手術をする役割。
残念ながらオールマイティではないだけに、患者の心のケアや
自分たちで補いきれない部分をサポートしてほしい!」
という方針で、8年前からスタート(詳しくは8月号の会報誌をお楽しみに)。
以前紹介したアロマテラピーのボランティアの方も研究員としてメンバーの一員。
総勢約10名ほど各専門家のエキスパートが揃っています。

サブリーダーであるSドクターの優しさや細かい気遣いは言うまでもないことながら、
何がすごいって、“傾聴力”がともかくスゴイ!
できることならCOMLでスカウトしたいぐらい…
なんて、とんでもない話ですが…

もちろん、すべての患者さんのサポートは不可能でしょう。
やはり、ターミナル期の患者が対象のようです。
病棟師長さんから紹介され、「大歓迎!」とお返事をして、
初めて病室に来てくださったときは副看護師長(もちろん彼女もサポートメンバー)とお二人。
「いま何か気がかりなことがありますか?」と斜めに向き合い、
私の言葉をジィーと待ってくださいました。
じつは、初めての訪室なら、いわゆる顔合わせ程度のことだろう--
と、とくに何を話そうという心の準備もしていなかったのです。
でも、眼鏡の奥のやわらかな眼差しを見つめているうちに、
突然、思いもかけない言葉が私の口をついて出てきたのです。

「あと、どれくらい生きられるか?」
「仕事に自らの意思でピリオドを打ったものの、この先の私の何の役割が残っているのか…?」
「何をどこから、どう考えたらいいのか…混乱してばかり」
と矢継ぎ早に予期していないあれこれが、涙とともにほとばしってしまいました。

病院に居たのでは何もできない。
身の回りの整理も、会いたい人にも会えないし…
夢も希望も願望も、いっぱいあるんです--。
そんな話をジィーと受けて止めてくださいました。
「慌てなくて、だいじょうぶ。
一つひとつ実現させていくためのお手伝いをすることが、私たちの役割なんです」と。

それからは、ときに1時間以上、
COMLの活動の話や何としても実現させたい沖縄の仲間たちに会いに行く計画に
ニコニコと耳を傾け、
「そのためにも在宅医療につなげていきましょう!」と見事なサポート。

先にも書いたように、外科医は外科のエキスパート。
たとえば薬についても、すべてを知っているはずもなく、
口から薬が飲めなくなって、それでも眠りを確保したいと願う私の話から、
坐薬も水溶薬もあると安心させてくださり、カンファレンスで提案。
若い病棟主治医も正直に「坐薬の眠剤は知りませんでした」と、
まさに“チーム”の本領発揮!

残念ながら、現在、どこの病院にも備わっているチーム体制ではないでしょうし、
いわばトップの意識に依るところ大!
でも、これからはどこの病院にもあって“当然”と、
患者の私たちが声を挙げていくためにも一つの参考にしたい…と、
ちょっとまじめなつぶやきでした。
(5月10日記す)

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