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2011年4月

辻本好子のつぶやき No.7 ~オブラート~

一日中、強い吐き気に襲われる日もあれば、
薬がしっかりコントロールしてくれて
「今日は穏やかで静か。“平和”な一日で~す」
なんてノーテンキなメールを送れる日も。

痛みや強い吐き気があると、目も開けられないばかりか、
モノを言う気力もなく、ベッドに身を横たえて、
しかめっ面で時の過ぎるのをひたすら待つだけ。
忙しい仕事の時間をやりくりして、毎日のように病室へ足を運んでくれる山口に
ひとことの声かけもできぬまま、
「悪いけど、今日は帰って…」
なんて、ひどい言葉しか言えないときは申し訳なくて…

がまんすればよくなる、ここを乗り越えさえすれば先は明るい--
という問題では残念ながらないだけに、
ともかく痛みと吐き気だけは何とかしてほしい。
がんサポートチームの腫瘍内科医を交えたカンファレンスで、
ドクターたちも懸命に対応策を探してくれていることに心から感謝はしても、
つらいときはどうしようもない。

いまは点滴や服薬が、そんな私の“いのち”をつなぐ頼みの綱!
ただ吐き気が強いときは、飲んだ薬でさらなる吐き気を誘引することも
一時は点滴のショット(注入)でほとんどすべての症状に対応することが続いていたが、
どうしても口からしか飲めない、しかも絶対に欠かすことのできない薬がある。

007

「リーベクト」(分岐鎮アミノ酸製剤)という顆粒で、
1包が4.15gと結構量も多い。
この薬がじつに、じつに、飲みにくい
1日3回、まさに決死の覚悟!! 気合が必要!!

ある日、ふっと、「あっ、オブラートだ」と気づき、早速売店で購入してもらいました。
子どものころのオブラートの記憶は丸い形。
いまは、円錐形の袋状態のものがあるんですネ。

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大いなる期待を込めての初挑戦は、残念ながら失敗。
モタモタしているうちにオブラートが溶けて、
口のなかにいや~な薬が広がって…元の木阿弥。
2回目はより慎重に口のなかにひと口分の水を含み、
しっかりオブラートが閉じたことを確認して、
半分を口のなかの水に湿らせ、そのまま上を向いてゴクリ…
やったぁ~、成功!!

オブラートを買ってきてくれたナースに喜びと感謝を伝えたら、
「オブラートでもうまく飲めない患者さんに、辻本さんの方法を教えてあげよ~」
と、一緒に喜んでくれました。
失敗することなくオブラートの助けを借りるようになったいまも、
気合が必要なことに変わりないんですが…
(4月20日)

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辻本好子のつぶやき No.6 ~ナース編④~

4月半ば、師長さんが新人ナースを引き連れてゾロゾロ各病室への挨拶まわり。
みんな一様に緊張した面持ち。
午後になると先輩の業務に2人が“くっつき虫”で訪室。
先輩の処置の手元を食い入るように見つめている真剣な表情が微笑ましい。
そんな彼らが「ベッド周りのお掃除をさせていただきます」のときは、
一人でやってくる。
ぎこちない笑顔までが初々しく、ついつい私の悪いクセで、
お母さんのような気持ちになって…。
「今朝ネ、胸がキュンとしたことがあったのヨ」と言うと、
手を止めて耳を傾けてくれました。
彼らの1年先輩の○○ナースが、当直明けに
「今日はこれで帰ります」とわざわざ訪室してくれたことを話すと、
満面笑顔で「ヘェ~!!」。
「なんでもないようなことが、患者って嬉しいものなのよネ」と言うと、
「そういうひとことが大切なんですネェ~」と明るい笑顔。

002

昨年7月、手術入院したころは、まさに○○ナースも3ヵ月目の新人ナース。
いまは当初の表情の硬さもほぐれ、処置も堂々と手際がいい。
そんな成長ぶりを微笑ましく眺めていたところへの朝の小さなエピソード。

夜中じゅう、痛みや吐き気に襲われて、何度も何度も病室に足を運んでもらったナースに、
交代する前に「昨夜はお世話になりました」とひとことお礼を言いたいと思っても、
ほとんどチャンスがないことが病棟の日常。
朝・昼の担当、17:00~20:00までの担当、そして当直と、勤務に入る前に
「今日の担当の△△です」という挨拶はあっても…。

ベッド周りの掃除を終え、
「私も○○先輩を見習います」と嬉しい言葉を残して次の部屋へ…。
そのあと、トイレの前で○○さんとすれ違い、
「新人ナースにあなたの話をしたのヨ」と声をかけると、
頬を赤らめて「ありがとうございました。がんばります!」
…ううん、がんばらなくていい。
「ただ慣れないで! 慣れることも大事だけど、ただ慣れないでネ」と背中をポン。

もう新人研修で講演させてもらうことはできないけれど…
やってます、マンツーマンで
(4月20日)

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辻本好子のつぶやき No.5 ~ナース編③~

~その3~
院内の検査や処置の移動は、すべてナースが車椅子で。
今日は朝から楽だなぁ~ と思っていた日に半月分の請求書が届き、
思い切って1階の会計まで一人で歩いてみよう!

ゆっくり、ゆっくり、途中の椅子で休み、休み。
会計を済ませた辺りから、ちょっとしんどいなぁ…。
でも、だいじょうぶ。
ところが病棟フロアのエレベータから病室までが果てしなく遠い。

ようやくの思いでベッドにたどり着いて、フゥ~
とそこへ部長回診。
身体を起こし、ひとこと言おうとした瞬間、急激な吐き気に襲われ、
10数人のスタッフの目の前で…。
病室の隅の洗面台にたどり着けたのが唯一の救い。
それからずっと吐き気ストーム(嵐)…。
ああ、苦しい!!

006 

夜8時、面会時間終了のアナウンスに背を押されて山口が帰ったあと、
ナースに頼んで点滴に吐き気止めを注入(ショット)してもらいました。
1時間後、少し落ち着いてきたので薬を服用。
ところがそれが引き金に。
何も食べていないのに、まるで噴水のように止めどもなく--。
這うようにベッドに戻り、せりあがってくる吐き気と格闘。

深夜0:30。
どうにもたまらずナースコールして「ショットを加えてほしい」。
ところがナースは困った顔。
「治まらないの?」「辛いねぇ…」と共感して、
「1日3本(しかショットは入れられない)だからねぇ…」。
--ということは、明け方の4時までガマン?? エ~~
多くの場合、こんなとき
「もうしばらく辛抱してください」「もうちょっとがんばりましょう」
しかし、8時間空ける必要がある薬なんだと納得できたら目途が立つ。
仕方ない…。
結局、一睡もできない一夜となりました。

目途を立たせてくれたナースは、ICU(集中治療室)に長くいて、
この4月に外科病棟に異動。
私が気にするいわゆる“タメ口”調なんだけれど、ベタベタの大阪弁。
「ムリせんでええんとちゃう?」
「楽になってきてよかったなぁ~」
ニュアンスというかイントネーションというか、じつに柔らかい。
ちっとも違和感がなく、私も自然に受け入れている。
京塚昌子(古いナァ)に似た文字通りの肝っ玉母さんみたいな人。
「1日3本だからねぇ…」の“ひとこと”が心に残り、私を支えてくれました。
翌日一日中しんどさが続き、あとは少しずつ改善。
やっぱり無理しちゃいけない…ということの学習にもなりました。
(4月13日)

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辻本好子のつぶやき No.4 ~ナース編②~

~その2~
昨年7月の胃がん手術入院のときから気になっていたナース。
声も態度もちょっと大きい中堅どころ。
かなり早い時期に「体育会系ですか?」と皮肉交じりに尋ねたら、
元気よく「バスケットやってました!」。
う~ん、そういうことじゃないだろう…。

003

今回の入院のある日、いつも点滴ルートの針刺しは3年目以降のドクターがやるのに、
「最近は私たち(ナース)もやるようになってきたんです」
と自信タップリに血管を探ってブスリ。
ところが「痛っ!」とうまく入らず、顔色が変わって大慌て
さすがに2回目の挑戦は諦めたのか、
「ごめんなさい。先生を呼んできます」。
その日から急に表情が柔らかくなり、言葉遣いまで変わり、何とも親和的。
見たこともない笑顔まで見せるようになり、
いまでは、う~んと距離が近くなっています。
(4月12日)

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辻本好子のつぶやき No.3 ~ナース編①~

“つぶやき”なら「病院なう」だろうが…私のはちょっと長め(スミマセン)。
なんせ24時間限られた空間で、限られた人と、
限られた会話しかできない毎日--溜まるんですよ
そんなわけで、ちょっと長めのリポートにおつきあいのほどヨロシク!

004

今回が5回目の入院。
これまでは2週間程度だったのに、もうやがて1ヵ月に…。
当然、ナース一人ひとりとのおつきあいも深まり、
個性と向き合うことを密かに楽しんでいます。

~その1~
取りつく島もないような無表情、ぶっきら棒な人だナァ~と思っていたベテランナース。
じつは、若いスタッフにとって「お母さん的な存在」と知って、ヘェ~!
彼女が当直の夜の対応のあれこれで納得…目からウロコがポロリ。
それから私のアプローチをちょっと変えてみたら、
何と気さくで、飾り気のない、頼りがいのある人! と大きく変化。
いまは何の遠慮もせず、
いつの間にか小さな不安まで言っている自然なコミュニケーションに。
じつは、私のほうが構えていただけなんだと大いに反省。

でもネ、やっぱり人の第一印象って初対面の表情が大きく作用。
向かい合ってホッとできる柔らかな表情は大切だと思うんだけどナァ~
(4月12日)

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辻本好子のつぶやき No.2 ~そうたくんからの励まし~

“そうたくん”は、元COMLスタッフY子さんの一人息子。
今年、ピカピカの小学1年生。
生まれてすぐにCOMLデビュー。
幼稚園に入る前は、
月1回の会報誌発送作業のお手伝い(?)が彼の誇る「COMLのお仕事!」。
COML最年少ボランティアのレコード保持者です。
お休みの日などにママがSP研究会に参加するときの付き添い役だったりもしました。

先日事務所に来たとき、集中してお絵描き。
何を書いたかと思えば、「つじもとさんへ そうたより」と覚えたばかりの文字を
一文字一文字丁寧に添えて、勇壮な“アムールヒョウ”の絵を描き、
「お見舞い。ガンバッテ!!」のメッセージとともに届けてくれました

001

ナースに、ベッドに横になったときに一番よく見えるロッカーの上段に貼ってもらって、
日長一日励まされています。

先日、ママの携帯に、そうたくん宛のお礼メールを入れました。

『そうたくん がっこうは たのしいですか?
つじもとさんは まいにち びょういんのベッドで
そうたくんがプレゼントしてくれた アムールヒョウにはげまされています。
びょうしつへくる かんごしさんが 「じょうずな え!」とほめてくれましたよ。
ママに よろしく。ありがとう   つじもとさんより』

早速ママから
『そうたに読んで聞かせました。
そうたが手紙を書くそうなので、楽しみにしてください。
辻本さんのことを想って祈っております』
と返信が…。
嬉しくて、嬉しくて、ちょっと自慢したくって…

(2011.4.12)

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辻本好子のつぶやき No.1

COMLの理事長・辻本好子は、昨年7月に胃がんで手術を受けました。
その後も、治療が続き、現在も入院中です。

今回から、時折、病気療養中のつぶやきをご紹介することになりました。
写真の下から本文が始まります。

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9日間の絶食が続き、10日目の朝。
朝食として運ばれてきたのは重湯ではなく、125ml、200Kcalの経口流動食。
そして、小さなカップ一杯の味噌汁の上澄みと
125ml、53Kcalのグレープジュース。

しばらくにらめっこした後、最初に口にしたのは、もちろん味噌スープ。
う~ん、この塩味! そして旨味!!
ひと口すすると、まさに五臓六腑に染みわたる滋養。
「おいしいっ!」

…そして急に胸が熱くなり、涙がポロポロ。
幼いときの母の味噌汁の味がいきなり蘇ってきたのです。
そして、つぎつぎと味噌汁にまつわる思い出が走馬灯のように駆けめぐりました。

母から最初に教えてもらった味噌汁の作り方。
明治生まれの母は、前夜に煮干しを鍋に入れておくことから、
二番出汁の取り方まで、
具は基本形として、確かそのときは大根とお揚げさんの短冊切り…。
一生懸命、形を揃えるように切ったことまで。
あゝ、懐かしい…。

~なんて、感傷に浸っている病室でのつぶやきでした。(2011.4.11)

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ケーキでございます。

COMLには震災以後、電話相談があまり届きませんでした。

こんなに大変なときに、自分の身に起きていることなんて……
というお気持ちの方も多いのかなと個人的には推察しています。

しかし、ようやく電話が徐々に鳴るようになってきました。

皆さん、ご自分のからだのことも大切にしてください。
そして必要があればご相談くださいませ。

 

さて、そんななか、恒例になっているケーキのご紹介です。

今回は…… ショートケーキ 

Img_9517  

このケーキのポイントは……

生クリームがおいしい

金箔がふってある

スポンジに挟んでいるイチゴは、予めリキュールに漬けてあり香り豊か

さらりとした甘さで、しつこくなく、とってもおいしかったです
ありがとうございました

 

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